時には優しく…微笑みを


「駅から電話が会社にかかってきたの、今病院に運ばれました、って。それ聞いて慌てて課長走って行ったのね。すごい慌てようだったもの。なぜ倒れたのか、聞いてきたでしょ?」

そんなに心配をかけたんだ、私は少し胸が痛かった。

「話したよ…私も過去から逃げたくなかったし。好きでもない人の事で苦しみたくなかったから」

それは本当の事。
これ以上、苦しみたくなかった。

「…で?課長なんて?」

「神木物産の事務は触らなくていい、って。本当なら優弥さんを殴りたいって…」

七海は目を見開いて、きゃーと騒ぎ出した。

「課長かっこいい!朋香にベタ惚れね。よかったね、朋香」

「もう!恥ずかしいじゃない」

大きな声で叫んだ七海を周りの人達は、何があったんだとジロジロ見てくるし。七海はいいなぁ、と連発してるし。
恥ずかしい…

「けどさ、気つけなよ。D&Dに勤めてるの分かってんだから、来るよ。きっと」

急に真剣な表情で七海は言った。

「ま、まさか。そんな事しないでしょ…」

そんな事あるわけ無い…

「甘いわね。朋香、あなた綺麗になったもん、ここ数日で特にね。まだ多分好きだと思われてたら、あわよくばって考えるよ、あいつは」

「そんな…」

考えると、恐ろしくなっていた。
そんな事出来るの?
あんな別れ方しておいて…