時には優しく…微笑みを

何かあったの?と聞かれて、私は七海を連れて食堂へ向かった。

テーブルには座ると、前のめりで七海が聞いてきた。

「どうしたの?」

「あのね…、昨日、神木物産に行って、あの人に会ったの」

「え?あの人って…また、なんか言われたの?」

あの人と、言って七海は彩奈さんだと思ったみたい。
ううん、と私は首を振った。

「違うの、彩奈さんじゃないの」

「え?ちょ、ちょっと!もしかして、優弥さんなの?」

うん、と頷いた。

信じられないと言った顔をしてた七海は、言葉に詰まっていた。

少しの間があってから、七海が口を開いた。

「なんで、横浜じゃなかったの?なんで東京にいるのよ」

「分かんない。私も横浜だと思ってたから油断してたんだけど…声をかけられて」

「って言うか、あんな別れ方しておいて声かける普通?信じられない。やっぱりサイテーよ、あの人」

そうだよね、普通はないよね。

「うん、私もまさかと思ったよ」

「それで?なんて?」

「また連絡するって…」

「は?何それ!サイテーなヤツ。それ、菅野課長に話したの?」

「え?なんで?」

どうして、いきなり拓海さんの話が出てきたのか不思議だった。