時には優しく…微笑みを

拓海さんのマンションに着いた。
運転先から降りてきた拓海さんは、助手席を開けて、降りようとする私の身体を支えてくれた。

「大丈夫か?歩けるか?」

頷き、歩こうとした私はバランスを崩して倒れそうになった。

「危ないっ!」

咄嗟に庇ってくれた拓海さんにしがみついた。
そんな私を見た拓海さんは、そのまま私を抱き抱えた。

「あ、歩けます。拓海さん…」

「ダメだ。このまま部屋まで行くから」

私は拓海さんの首に手を回していた。

私はこの手を離したくない。
あんな人の為に、これ以上傷つきたくない。

拓海さんを傷つけたくない。

そう思っていた。


部屋に着くと、拓海さんは私をベッドに降ろしてくれた。

「大丈夫か?顔色がまだ悪いな…っ、ごめんな、頼むんじゃなかったな。彩奈がいたのか?」

違う、そうじゃない…拓海さんに、私は話しかけた。

「ごめんなさい。拓海さんのせいじゃないんです…謝らないで」

謝らないで、あなたが悪いんじゃない、これは私の問題。