次の日、拓海さんの熱も下がり、私達は会社に行った。

私も会社に入っての初めて使った長期休暇(とは言っても4日程だけど)からの休み明けともあり、私の顔を見たみんなが心配して声をかけてきてくれた。

「櫻井さん、大丈夫なの?珍しいじゃない?無理しないようにね」

「朋香、大丈夫?」

入社して、営業部に配属されて一年、みんなに心配してもらえるような存在になっていた事が嬉しかった。

私は溜まっていた仕事を、順番に片付けていった。

拓海さんも同じように仕事を片付け、みんなに指示をしていた。

「菅野課長、神木物産の片岡さんから電話です」

神木物産の片岡さん…その名前を聞いて、不安がよぎった。

あれから彩奈さんの話は聞いていないし、どうなったんだろう?
拓海さんは、心配するなって言っていたけど、私自身あれから一人で神木物産には行っていないし、電話対応も拓海さんがしていた。
私が彩奈さんと関わりを持たないようにと、なるべく避けれるようにしてくれていたから。

拓海さんを見ると、一瞬怪訝そうな表情を見せて電話を切った。

何かあったのか?
そう思っていると、拓海さんから呼ばれた。