周りから見ると、多分ただのバカップル。諒太さんや結子さんが見たら、呆れられるだろう。

けど、責めの拓海さんじゃなく、責められてる拓海さんが新鮮で、すご愛おしく思った。
だから、つい意地悪をしてみたくなったりして。

このままの時間が過ぎてくれたら…何度も思った。


「朋香…俺は慌てるつもりない。ゆっくりいこう…一緒にいてくれるか?」

「はい。拓海さん…離さないで下さいね」

ゆっくりいこう。
お互いを確かめるように、私達はキスをした。
それ以上もそれ以下もない。

私は拓海さんの横で笑っていたい。
その手を掴んでいたい。

お願い、私の手を離さないで。



私達の1日がそうして過ぎていった。