時には優しく…微笑みを

「拓海さん?目覚めました?大丈夫…」

「朋香!夢じゃなかったんだな…」

両手が伸びてきたと思ったらそのまま、拓海さんに抱きしめられていた。

「拓海さん、大丈夫ですか?」

「朋香さえ、いてくれたら大丈夫だよ」

「もう、そんな事言ってるんじゃないんです、熱出てるんですよ!」

腕から逃れ、拓海さんの顔を見ると、寝ていた時より顔色が良くなっているのが分かった。熱が少しでも下がったせいか…

「朋香、朋香…よかった」

「風邪ひいてるんですよ、また無理したんでしょ?違いますか?」

「ごめんなさい…」

「お粥作ったんで食べますか?結子さんから風邪薬もらってるんで、それ食べて飲んで下さい」

「お粥?食べるよ。…佐々木来てくれたのか?」

「私が呼びました。熱が凄かったし…」

そう言いながら、温めなおしたお粥を持っていくと、食べさせて欲しいと、信じられない事を言われてしまった。

はい?
これがあの、鬼と言われた菅野課長なの?
営業部のみんなに見てもらいぐらい。
渋っていると、早くとせっつかれた。しかも、弱って甘えてくる拓海さんなんて、破壊力がハンパなかった。