時には優しく…微笑みを

「ところで、住む所だけどな櫻井。決めたのか？」

「え？」

「一応な、会社が借り上げてるマンションの空きがあるか総務に聞いてみたんだが、今は空きがないそうなんだ。予約は出来るらしいが、いつ空くかは分からない状態らしい」

「あ、聞いてくださったんですか？私が就職決めた時もいっぱいだって言われてたんで、ないですよね。やっぱり…」

「ウィークリーマンションを借りるのか？それとも、…昨日話したように、俺の所で間借りするか？」

課長が、少し躊躇したのが分かった。
多分、気にしているんだろう…

「課長にご迷惑をかける事は、出来ないんで、ウィークリーマンションを借ります。その間に、住める場所を探そうかな、と」

「そうか、まぁ、その方がいいな。不動産屋は俺の知り合いを紹介するよ。その方が安心だろ？知らない所より」

「え？いいんですか？助かります」

すぐに課長は電話をしてくれて、知り合いの不動産屋さんと会える事になった。しかも、俺と出先に出ると会社に連絡を入れてくれて、今回だけな？と、会社から離れたコーヒーショップでその人と会う事になった。