時には優しく…微笑みを

怒ったような口調、突き放すように話をする様子で、彩奈さんからだと理解した。

「いい加減にしてくれないか?仕事の話なら、就業中にしてくれ。切るぞ?俺には用はないから」

なんて声をかけていいのか…
課長、怒ってる。
この感じで話をしてもいいんだろうか…

「…悪いな、櫻井。大丈夫か?」

「いえ、課長の方こそ…大丈夫ですか?」

「ん、あぁ。大丈夫だ。…着いたぞ」

そんな事を話していたら、マンションに着いた。
駐車場に車を停め、二人で部屋に帰って行った。

言わなきゃ…き、緊張してきた。
ドキドキしながら、私は部屋に入った課長を呼び止めた。

「課長、話いいですか?」

「あぁ、コーヒーでも飲むか?」

「いえ…」

断ると、課長は私にソファに座るように声をかけた。

並んで座った私は、膝の上に手を置き、その両手を強く握りしめた。

「課長…、私…」

私、と言いながら次の言葉が出てこない。
ちゃんと言わなきゃ、ここで止まる訳にはいかない。

課長は黙って、私が言う言葉を待ってくれている。

下を向いていた私は顔を上げた。