『マーマー!お腹すいたー!』
心が穏やかさを取り戻した直後、前方から聞こえた亜実の声に目を向けると、子供たち三人とリュウ君ママがこちらを見つめていた。
『ごめんごめん!ママ、ちょっと体調悪いみたいなんだ。だから今日はーーー』
そう言いながら向こうへ駆け寄っていく大地のあとを追い、私も歩みを進める。
『だからまた今度な。わかった?』
『うん!わかった!亜矢、おりこうさんだもん!』
大地を見上げながらそう宣言する亜矢の横顔に、何故だか涙腺がゆるむ。
まだまだ幼いけれど、以前よりもわがままを言わなくなってきたその姿に、成長を感じ潤んだ目を細めた。
そして、お姉ちゃんの亜実も。
『ママ、大丈夫?』
私を心配するように駆け寄ってくると、気遣うように優しい声でそう言ってくれた。
『…うん、大丈夫だよ』
ウソをつくことは、いけないこと。
だけど家族の温かさを胸いっぱいに感じられた今は、もう少しだけこの幸せに浸っていたいと思った。
『だから心配しなくていいからね、ちょっと横になったらすぐ元気になるから』
そう言って微笑むと、亜実はホッとした表情で頷き笑顔を見せた。



