マリッジリング〜絶対に、渡さない〜


『…ありがとう』


不安で凍りつきそうだった心に、大地の優しさがじんわりと沁みる。
本当に心配してくれているのが伝わってきて、ホッと安心できた。


『ははっ、何だよ改まったようにありがとうって』

『うん…なんとなく』

『亜紀が元気ないと俺だけじゃなく子供たちも困るからさ』


そう言ってはにかむように笑った大地につられ、私の顔も自然と笑顔になる。
やっぱり私は、大地が好きだ。


『あ、でもご飯…どうしよっか』

『ん?そんなの俺に任せたらいいって。今日、朝ごはん用意するのもなんだかんだ楽しかったし』


頼もしい言葉と余裕ある表情に、クスッと笑みがこぼれる。


『だから昼ごはんも晩ごはんも、今日は臨時のごはん担当大臣に任せてたらいいから』


自分で言っておきながら、なんだか少し照れくさそうな顔をする大地が、たまらなく愛おしい。

大切だと、改めて思った。