えっ?
今の笑顔はどういう意味?と、思わず首を傾げた。
『手持ちも少なかったし、今日は買えないって言ったんですけど…』
するとすぐそばから私を見上げるリュウ君ママと視線が繋がった。
こうして見ると、やはり小さい人だなぁと改めて感じる。
上目遣いをしているわけじゃないのに、この角度で見つめられると同性の私でさえ妙に可愛いと思ってしまうのは身長差がそれだけあるからなのだろうか。
だとしたら、私よりも背が高い大地はもっとこんな感覚があるのかな…
『亜紀さん?』
『あっ…ごめんなさい、何だっけ?』
ボーッとしていたせいで、話が頭に入ってきていなかった。
慌てて聞き返すと、リュウ君ママはクスッと笑って。
『それで、結局ボールを買うことになったんですよ』
と、ボールを買った結末だけを口にした。
話の経緯を聞いていなかったのは私が悪かったと思う。
どうなって結局、になったのかも聞いていないためわからない。
『あの…』
だからもう一度、聞き返そうとした。
だけどリュウ君ママはそんな私からスッと目を逸らし、足早にリュウ君の方へ進んでいく。
そして、一瞬だけチラッと私の方を振り向いてから。
『リュウ、ボール大事にしてね!ママたちからのプレゼントなんだから』
と、わざとらしく大きな声でそう口にした。



