マリッジリング〜絶対に、渡さない〜


どうしてわからないの?
大地の行動は正しかった?
人のこと、責められる立場?

そう思いながら、大地の横顔を見つめた。


『…俺の方こそ、ごめん』

すると呆れた顔で逸らされたはずの視線が、何故か再び私に向いた。


『元はといえば俺が悪かったんだよな、亜紀だけに任せちゃって』


申し訳なさそうに苦笑いを浮かべる大地と目が合い、視界が滲んでいく。


『ごめんな』


優しい声に、ぼんやりと揺れる大地の顔。

咄嗟にうつむき、溢れてくる涙をなんとか堪えた。

大地は…自分でちゃんと気付いてくれた。
自分が悪かったって、謝ってくれたんだ。


『亜紀?』


いきなり涙なんて流したら、一体何事かと驚かれるだろう。
子供たちの靴だってまだサイズ確認も出来てない。

他のお客さんの目もある。
大の大人が、こんなところで泣いたりしちゃダメだ。