『ママ?』
『マーマ!』
続けざまに呼ばれたおかげで、ボーッとしていた頭がハッと我に返った。
目の前には椅子に腰掛けた亜実と亜矢がいて、目当ての靴を試着しながらご機嫌な表情を浮かべている。
『亜実、どう?ピッタリ?ちょっと大きいかな?』
目線を合わせるように屈み、爪先のサイズ加減と靴ひもの締まりを確認する。
『ママー!亜矢も見てー!早くー!』
『わかってるー、ちょっと待ってね』
だけど隣から急かされるせいで、いつもはスムーズに出来るサイズ確認が何故かうまくいかない。
『ちょっと大きくない?』
『うーん…わかんない』
『奥までちゃんと足入れてみて』
一緒に来たのに、何で私は一人でこんなことしてるんだろう。
『マーマー!早く見てよー!』
イライラする、どうして私一人で…。
『マーマー!』
『もう、静かにしなさい!!』
気付けば私は、大声で亜矢を怒鳴っていた。



