『…そりゃ、ついて来てほしいに決まっーーー』
イライラしながら言いかけた、その時だった。
『大君、子供の買い物って大変だし、それはダメ!ボール見るくらい私一人で大丈夫だし、亜紀さんだってさすがに怒っちゃいますよね?』
苛立つ私に気付いたのか、リュウ君ママが私に向かってそう問いかけてきた。
そんな風に言われたら、本当にそうだとしても「うんそうだね」なんて素直には言えない。
心の奥底にある小さなプライドが、そうさせてはくれなかった。
『…ぜ、全然。そんなことでいちいち怒らないよ』
『でも…』
そうだよね。それが普通の反応だよね。
私がそう言ったところで、普通は気を使ってこっちは一人で本当に大丈夫なんで…とか。
理由は何でもいいから場を弁えた発言をするはず。
だけど、そうなるはずの流れが。
『本当、亜紀はそんなことでいちいち怒ったりしないから』
『でも…ほら、私一応シングルマザーだし』
『えっ?だから?』
『亜紀さんが心配するんじゃないかなーって』
『あははっ、亜紀が?ないない!昨日だって言われたもん。くだらないやきもちなんて妬かないって』
夫、大地のその言葉で変わってしまったのだった。



