『わぁー!大きい車だね!』
『リュウ君!一緒に後ろ乗ろ!』
結局、そのまま断ることは出来ず。
開いたドアから我先にと車に乗り込んでいく亜矢とリュウ君の後ろ姿に、だんだん心が複雑になっていた。
同い年の二人は最後部の三列目に二人で並んで座っている。
子供たちはすっかり仲良しで無邪気に笑い合っているのに、親の私は…何をやってるんだ。
親一人子一人。
リュウ君ママは、女手一つで子育てをしている同じ母親だ。
優しい気持ちを持てなくてどうするの。
自分で自分にそう言い聞かせ、二列目のシートに乗り込んでいく亜実を見届けると、後ろにいるリュウ君ママの方を笑顔で振り返った。
『リュウ君ママも、亜実の隣で申し訳ないけど、どうぞ、乗って乗って』
努めて明るく振る舞いながら、にっこりと笑い、目を合わせる。
するとリュウ君ママも同じように微笑んで『ありがとうございます』と笑顔で返してくれた。
大切なのは、思いやりだ。
嫌な女になっちゃダメ。
みんなが車に乗ったことを確認すると、私もいつものように助手席に乗り込んだ。



