マリッジリング〜絶対に、渡さない〜



『大地って、いつも私に判断を任せるとこあって。そういうところにたまにイラッときちゃうっていうか』

『俺?まぁ、何でも亜紀に確認するクセはあるかもだけど…』

『かもじゃないからね?私は大地のママじゃないんだから。決めるとこは自分でも決めなきゃ』



そう言うと、大地は数秒黙りこむ。

今日は、一日の予定が決まっている。
まずは靴を買いに行って、お昼は子供たちの好きなお店にオムライスを食べに行って。

午後からは、長いスライダーのある大きな公園に行く。
夕方には帰路について、スーパーに寄ったら食材のまとめ買い。

そう。予定はきっちり決まっているのだ。


大地はちゃんとそれをわかっているはずで。
予定が狂うのがキライな私の性格を知っているはずで。

いちいち言わなくても空気を読んで、自分で判断してくれると思っていた。


だから、驚いたんだ。


『よし!じゃあ、リュウ君も一緒に行こう』


いい案が浮かび、パッと閃いたかのように口にした、大地のその言葉に。

私は驚いて、何も言えなかった。