「いいなー、こんなステキなおうちに優しいご主人がいて…」
だけど次の瞬間、ポツリとこぼれたリュウ君ママの声に、明るかったその場が、一瞬静まり返った。
「キラキラしたネックレスも…ほんと、羨ましい」
一体どういう感情で、そんな風に言ったのかはわからない。
だけどどこか、何故だか意味深に聞こえたのは私だけではなかったようで。
目を見開いた景子とぽかんと口を開けた玲ちゃんと視線が繋がった瞬間、しんとなった空気を壊すように私はわざと笑い声を上げた。
「あ、あははっ!全然、そんなことないよ?家はローンもまだまだ残ってるし、ね!大地」
「へっ?あぁ、うん、まだまだ先は長いよ」
「こういうプレゼントとか貰ったのもいつぶり?って感じだったし、喧嘩だってしょっ中するしね!」
「うん、そうそう。どっちかといえばもっとこうだったら〜って、不平不満を言われてる方だしな」
慌てて言葉を並べた私に合わせるように、大地もうまくそう切り返してくれたけれど…何故かリュウ君ママは、寂しげな表情で俯いてしまった。
何か、余計なことを言ってしまった?
どうしようと焦りを感じていた、その時。
「うち…シングルなんですよね」
小さく呟くようなリュウ君ママの声に、やはりそうだったか…と思いながら、こういう時はどう返すべきなのかと言葉を探す。



