マリッジリング〜絶対に、渡さない〜



「わぁ!カッコイイなぁ!すごーい!」


そんなリュウ君の声に再び庭に視線を戻すと、なんだか得意げな表情の大地はわざとボールを高く蹴りあげたかと思うと、落ちてくるボールをカッコつけるように片手でひょいとキャッチした。

随分嬉しそうな顔だ。
子供とはいえ、カッコイイなんて褒められたらまんざらでもない様子だ。


小中高と、ずっとサッカーをしていた大地は、大学時代もフットサルのサークルを作り、社会人になってからも半ば強引に同期や先輩後輩を誘って、週に一度は今でもフットサルコートを借りてサッカーを続けている。


一緒に働いていた頃は、私もよくフットサルの練習を見に行った。

ボールを蹴っている時の大地はとても楽しそうでいきいきしていて、本当にサッカーが好きなんだな…と、見ているだけで伝わった。


子供たちが男の子だったら、きっとサッカーをさせていたと思う。

亜実と亜矢が生まれる前には、もし子供が出来て、その子が男の子だったら一緒にサッカーがしたいと言っていたことが、ふと脳裏に浮かんだ。


もし、男の子が生まれていたら。


「お!リュウ君うまいぞ!そう!足の内側で」
「こ、こう!?」
「そうそう!上手じゃん!」


きっとこんな風に、サッカーを教えていたんだと思う。