「じゃんけんぽん!あいこでしょ!」
聞こえてきた亜矢の声と、輪になってじゃんけんをする子供たちの姿に自然と笑みがこぼれる。
子供って、すごいな。
仲良くなるのに時間なんて必要ない。
初対面のリュウ君とも、すっかりお友達だ。
「亜紀、どうだった?会えた?」
「うん、202号室の人だったよ。なんか、ガスの開栓作業が来るから、終わったらリュウ君迎えに来るって。今日引っ越してきたし、色々バタバタしてるんだと思う。丁寧に頭下げてくれて、良い人そうだったよ」
「そうなんだー、良かった!良い人そうで」
景子と玲ちゃんと庭先でそんな会話をしていると、帰ってきた大地たちがリビングに入ってきた姿が見え、そのまま子供たちを庭で遊ばせておくことにした私たちは、家の中へ戻りモツ鍋の準備をするためキッチンで夕飯の支度を始めた。
「っていうか亜紀、なんでさっきそこのアパートに行ってたの?」
ザクザクとキャベツを切り始めたその時だった。
カウンター越しに聞こえてきた大地の声に、私はふと顔を上げる。
そういえば、リュウ君の話をするのを忘れていた。
「あぁ、今ね、庭にリュウ君っていう男の子が来てて亜矢たちと一緒に遊んでるんだけど」
「へっ?そうなの?」
「うん。でね、その子、今日そこのアパートに引っ越して来たみたいなんだけど、ママさんがガス業者の立ち会いをしなきゃいけないらしくて。終わるまで、うちで預かっておくってことを話して帰ってきたの」
私がそう説明すると、大地は「そっか」と短い返事をしてリビングのソファに腰をおろした。



