マリッジリング〜絶対に、渡さない〜



「大丈夫ですよ!他にも近所の子供たちが遊びに来てて、みんなで遊んでるんです」

「そうなんですか?」

「はい。だから急がなくていいので、アパートを出たら右側にある斜め向かいの白い家にリュウ君、迎えに来てあげてください。工藤の表札がついてるので、すぐわかると思います」


私がそう言うと、その人はニコリと微笑み「ありがとうございます」と、深々と頭を下げた。

短い会話だったけれど、印象は良かったなぁ。
そんなことを考えながらアパートの階段を下り家に向かって歩いていると、背後からクラクションを鳴らされ後ろを振り返った。


視線が捉えたのは、我が家の車だった。
買い物から帰ってきた大地が、運転席からひょこっと顔を出している。


「何してんの?亜紀」
「あぁ、ちょっとそこのアパートに行ってたの」
「何しに?」
「んー、とりあえず帰ってからでいい?景子たち待たせてるし」


そう言って大地たちよりも先に家に戻った私は、子供たちは仲良く遊んでいるだろうかと庭を覗いた。