行き先も特に決まらぬままブラブラと街中を進み、何気ない話をしながら二人で歩いていると、隣を歩く大地が突然あるファッションビルの前で足を止めた。
「ちょっと入っていい?」
「うん」
断る理由もないのでそう答えると、進んでいく大地のあとをついていった。
だけど、乗り込んだエレベーターが7階に着きしばらくフロアを歩いていると、私は気付いていく。
確かこの階はレディース向けのブランド店ばかりが集まるフロアで、尚且つ靴屋が多い。
どうして?
そう思った時、前を歩いていた大地の足が某ブランドの靴屋さんの前で止まった。
「ここ、入っていいかな?」
こちらを振り返った大地にそう聞かれ、小さく頷いた私は先に店内へ入っていく大地のあとを静かに追った。
このブランドの靴は、オトナ女子からの人気が高くいくつものファッション雑誌にも毎月掲載されているような人気ブランドだ。
私も雑誌を眺めながら、可愛いなぁ、かっこいいなぁなんていつも思っていた。
でも、自分には縁のないブランドだということも雑誌で見るたびに感じていた。
''こだわりの7センチヒール''というキャッチフレーズがついているこのブランドの靴は、全ての商品が7センチのヒールの靴で。
安定感のある走れるパンプスというのが人気なようだが、身長173センチの私にはどう考えても無縁なものでしかない。



