『元旦那に養育費十万とかは振り込んでもらってるんですけど、正直全然足りないっていうか。昼間に働いても、お金って全然稼げないじゃないですかー』
頬杖をつきながらため息をつく彼女。
こっちがため息をつきたくなる。
母子家庭なら国から母子手当も出るはずで、養育費だって十万もらえているのなら、昼間しっかり頑張れば十分やっていけそうなのに…。
『行ってるのは銀座の中規模クラブなんですけど、日給が五万なんです。アツクないですか?昼間に働いてみたお弁当屋さんは、一日八時間働いても日給じゃ一万円にもならなかったのに』
彼女はハハッと笑い、さらに続ける。
『その弁当屋で週五日暑い厨房の中で働くよりも、たった一日、週に一度華やかな場所でお酒を飲むだけでそっちの方が稼げるんです。皮肉なもんですよね〜』
皮肉というか、何というか。
そこは価値観の問題だと思うけれど、私にはそれが良い、羨ましいとは思えなかった。
日給五万は、確かにすごいだと思う。
私は一日でそんな額を稼いだこともないし、大地だってないはずだ。
だからこそ本当にすごいとは思うけど…リュウ君は、その時一体どうしているんだろうと何故か不安な気持ちが膨らんだ。



