マリッジリング〜絶対に、渡さない〜

 

だけど帰宅したものの、しばらくは外の様子が気になって仕方なかった。

しばらくすれば亜実の下校時間と重なることもあり、さっきの車はまだそこに止まっているのか、もういないのか。

妙に心配で、二度表玄関まで覗きに行った。

一度目は、同じ場所に車があった。
二度目は最初の場所よりも少し前に進んだところに変わっていた。

やっぱり変だよな…そう思いつつ亜実の帰りを待つため再度表に出ると、あの車はもうどこにもいなかった。


『…気のせい、か』


ホッと胸を撫で下ろしぽつりとつぶやくと、ちょうど帰ってきた亜実たちの姿が見えた。


『おかえりー!』


そう言ってひらひらと手を振ると、『ただいま!』と、亜実たちも笑顔で手を振りかえしてきた。


安心して、自然と頬が緩む。

だけど…次の瞬間。


『亜紀さん』

背後から聞こえた声に振り返ると、いつのまにか彼女…リュウ君ママがすぐ後ろに立っていて。


『あの、これ』

そう言うと、クリーニング屋のプラカバーがかけられた上着を私に差し出してきた。