その後、なんだかんだと話をしながら家路につき、途中スーパーで買い物をして帰宅すると、あっという間にお迎えの時間になっていて。
慌てて景子とバス停に向かうと、玲ちゃんとも途中でバッタリ遭遇し、タイミングよく到着したバスからは子供たちが笑顔で降りてきた。
『ママー!』
『おかえり、亜矢』
飛びついてきた亜矢を見下ろすと、まん丸な瞳がみるみるうちに細くなり、笑った目が弧を描いた。
親バカだけど、本当に可愛いな…。
そう思いながら、私を見上げる亜矢をたまらず抱き上げる。
『ねぇねぇママ、今日ね、亜矢おえかきしたの!』
ニコニコ嬉しそうな顔で私を見つめる亜矢にうんうんと頷いてみせると、楽しそうに声を弾ませた。
『何かいたとおもう〜!?当ててみて!』
『んー、何だろ?うさぎさんとか?いや、ねこちゃんかな?』
そう言って首を傾げたら、亜矢はブーっと言いながら両手でバツのマークを作った。
『ごめん、亜紀』
と…その時。
トンっと肩を叩かれ振り返ると、後ろにいた景子が腕時計を見ながら口を開いた。
『歯医者予約してたの今思い出して…ちょっと、先行くね!』
そして『またね!』と慌てて言うと小走りで歩き出していく。
『はーい、またね!』
急いでいる様子の景子を見送り抱いていた亜矢をそっと降ろすと、近くにいたママ友と話す玲ちゃんの姿を見て、私もそっと帰路についた。
『パパとママと、ねーねと亜矢をかいたの!』
歩幅は、亜矢に合わせて。
『このまえの、けっこんきねんびだったときの絵でね、みんなでごはん食べてるところで』
さっきの話の続きを聞きながら…ゆっくり、歩いて帰っていた。
だけど、あと少しで家に着こうとしていた、その時。
家の前の道路の路肩に、見慣れない黒い車が停車していて、なんとなくそこに視線が止まった。



