マリッジリング〜絶対に、渡さない〜

 

『よし、今日はいっぱい食べる!デザートも何にしようかな〜』

『いや、亜紀?デザート選ぶのは後でもよくない?』


まじまじとメニューを見つめる私に、景子は素早くツッコんでくる。


『うん、いいんだけどさ?見て〜!すっごい美味しそうなのこれ!』

『わー!本当だ、しかも数量限定って書いてるじゃん』

『あ、じゃあランチと一緒に注文だけ先に済ませちゃう?』

『もちの!ろん!』

『あははっ』


同時に重なる笑い声で、私たちは互いを見ながら笑い合う。


『っていうか景子、もちのろんとか言ったら昭和生まれってバレちゃうよ』

『ちょっとーいじらないでよー、亜紀も同じ昭和生まれなのに』

『ふふっ、ごめんごめん』


お互い生まれ育った場所も違えば、それぞれ地元や学生時代、社会人時代の友人もいる。
こんな友達がいてね、と、互いに話すこともある。

だけど、思いきり笑い合える、信じられる友人は、今は近くにいる景子が一番で。


『私たち、同じ時代に生まれてて良かったね』

『あははっ、うん!』


大人になってもこんな風に思える友人に出会うことができた私は、幸せ者だと改めて思った。