『お客様?』
しかし、足を止めていた私たちを振り返った店員さんが不思議そうにこちらを見てきたため、私と景子は顔を見合わせると再び歩みを進め誘導された席に向かった。
案内されたのはやはり玲ちゃんたちの隣のテーブル席で、若干の気まずさを感じつつも私たちは椅子に座ると置かれていたメニューを開いた。
するとその直後。
『二人とも朝バタバタしてそうだったから誘うの遠慮してたんだけど、こんなことなら一緒に来れば良かったね!』
玲ちゃんの明るいそんな声が私たちの視線を再び隣に動かした。
『あははっ、だねー!バッタリでびっくりしちゃったよー』
笑顔でそう答えた景子に便乗するように私も笑顔で頷く。
玲ちゃんと一緒にいるのがリュウ君ママではなく、例えば知っている他のママ友だったら。
こんな風に偶然居合わせても、気まずさを感じたりしなかっただろう。
同じ幼稚園の顔見知りのママさんなら、混んでいるお店を気遣って相席だってしていたかもしれない。
だけど、一緒にいるのが“彼女”だから…それが出来なかった。



