別に、その言葉に深い意味はないのかもしれない。
だけど、彼女の一語一句が何故か気になって仕方なくて。
たった一言でも心が大きく揺さぶられる。
そんな自分がたまらなく嫌だった。
そしてそれは表情にも出てしまっていたからか、景子にポンっと肩を叩かれて。
『てか、洗濯機回してたよね?私も回したまんまだし、早く帰って干さなきゃ』
そう言いながら私の腕に自分の腕を絡ませた景子はニコリと笑ってさらに続ける。
『じゃあ、お先に帰るねー』
そして私の腕をグッと引くとそのまま足早に家に向かって歩みを進めた。
気の利く景子に助けられ、彼女から距離が空くと心はだんだん落ち着いていく。
『大丈夫?』
『…うん』
『こら、そーんな顔しないのー。今日ランチでも行こっか!』
『えっ?でも、景子今日はピラティスの日じゃ…』
『大丈夫大丈夫大!ピラティスは毎週あるし。たまにはサボって美味しいもの食べたい!』
そう言ってアハハと笑った景子に、胸がきゅうっと締め付けられる。
『ね!だからランチ行こ!久しぶりにガーデン行っちゃう?』
『…うん、行きたい』
『よし!じゃあ11時に家の前ね。また後で!』
景子はそう言うと私が表玄関に入るのを見届けてから自分も家へと帰っていった。



