マリッジリング〜絶対に、渡さない〜

 

『ねぇ…大地。昨日の話の前に、先に聞きたいことがあるんだけど』


感情的にならず、とにかく落ち着いて話をするんだ。
自分にそう言い聞かせながら冷静に言うと、大地は私を見つめコクっと頷いた。



『一昨日、上着が汚れたのはリュウ君が吐いたからだって言ってたよね』

『あぁ…言ったけど…』

『あれって、本当の話?』

『な、何でそんなこと…本当に決まってるだろ』


別に、試しているわけじゃない。
大地をちゃんと、信じたい気持ちがあった。

嘘をついているのは彼女の方で。
上着が汚れたのは、リュウ君が本当に吐いたからで。

大地が私に話したことが、真実であってほしかった。

だから祈るような思いで、再度確認したんだ。


『本当に本当?』