マリッジリング〜絶対に、渡さない〜


『ダメ?』

そう聞きながらも私の体を支配していく大地の指先。
くすぐるように体を這うその動きに、思わず声が漏れる。

こんなふうに触れ合うことは、かつては当たり前で。
求められることが、日常にちゃんとあった。

でも、最後にセックスをしたのはいつだったのか。
三、四ヶ月?いや、もう少し?
正直そのへんはハッキリとは思い出せない。

毎日それなりに幸せだったけれど…パパとママになった私たちは、明らかに“その部分”だけは変わってしまった。

だからこそ、大地に求められている今が嬉しくて。


『…大地』


そう言いながら見つめ合った大地の髪に触れると、唇に吸い付くように自らキスをして首筋に顔を埋めた。

だけどその直後…静かなリビングにスマホの音が鳴り響き、熱を帯びていた私たちの動きが止まった。