『…私の方こそ、ごめんね』
たとえ、自分が悪くなくても。
謝る姿勢に歩み寄れなければ、元には戻れない。
『亜紀は何も悪くないよ。全部、俺が悪かった』
大地はそう言うと私の頬にそっと触れ、温かい手で両頬を包んできた。
真っ直ぐ繋がる視線に、心臓の音がドキドキ鳴る。
真剣な大地の瞳に、瞬きも忘れてただジッとその瞳を見ていた。
こんなに見つめ合うのは、いつぶりだろう。
子供がまだ一人だけの頃は、寝かしつけが終われば毎日二人きりの時間があった。
今日は何があって、何をしたか。
昼ごはんは何を食べたとか、こんな人を見かけたとか。
たいしたことではなくても、ゆっくり向き合う時間があって。
でも亜矢が生まれてからは、どうしても時間に追われ1日があっという間に過ぎていて。
子供たちを寝かしつけながら一緒に眠ってしまうようなことが増えていった。
寝室も家族四人、並んで眠っているからこんなふうに見つめ合うこともいつからか減っていて…
『亜紀』
私の名前を呼びながら、両頬から首筋、そして胸元へとスーッとおりていく大地の手に、体は過敏に反応した。
『…っ』



