マリッジリング〜絶対に、渡さない〜


カーテンの隙間から差し込む光をボーッと見ていると、ピピピピ…とスマホのアラーム音が鳴った。

嫌なことがあっても、日常の流れは変わらない。
朝六時。
いつもと同じようにベッドから起き上がると、昨夜から一睡もできていないせいか立ち上がった瞬間足元がフラついた。

だけど、そんなことくらいでゆっくりもしていられない。

心の中はどんよりと曇ったままでも、カーテンを勢いよく開け朝日を目一杯浴びた。

とりあえず…切り替えなきゃ。

一息ついて寝室を出ると、一階に降りてリビングのドアをそっと開ける。

すると、ソファーで眠る大地の姿がすぐに目に飛び込んできた。

きっと、お風呂上がりにそのまま寝てしまったんだろう。
首にはタオルがかかったままで。

娘たちが膝掛けに使う小さな毛布を足元に掛け、寒そうに背中を丸めて寝ている。

そんな姿を見せられてしまうと、ほんの少し…罪悪感が生まれてしまった。