『ど、どうしたの?亜実』
不思議そうに私を見上げる亜実に向かって慌てて笑顔を作る。
すると首を傾げた亜実は、ジッと私を見つめて口を開いた。
『ママ、一人で話してるから…どうしたのかなって』
『えっ…あ、えっと…』
どうしよう。
どう返せば、この状況をうまく切り抜けられるんだろう。
『サッカーボールって、何?』
私を見上げる瞳が、揺れる。
もしかして、亜実は何かを悟った?
そんな、まさか…。
『あっ、サッカーボールね、パパが新しいのが欲しいなって言ってて。今、どうしようかなーって考えてたんだ』
『そうなんだ!?』
『この前ママにサプライズでネックレス買ってくれたし、どうしよう?パパにも内緒で買って驚かせてあげようかな?』
無理矢理思いついた、作り話だった。なのに亜実は嬉しそうにこくこく頷いて。
『うん!パパ絶対喜ぶよ!サプライズしよう!』
満面の笑顔で、私にそう言って微笑んだ。



