“私は一応シングルマザーだし…女の人って嫉妬とかしやすいでしょ?多分、アキさんもリュウを病院に連れていくなんて言われたら、自分の子でもないのにって。嫌な気をするだろうから”
私が嫉妬…。
私が、嫌な気になるから?
だから、やっぱりいいです?
文字を見つめながら、鼓動が加速していく。
何故なんだろう。
どうして私は今、負けたような気持ちになってるんだろう。
確かに、嫉妬はしてる。
嫌な気にもなった。
だけど、彼女にそれを気遣われたことがたまらなく悔しくて。
“病院の場所は、玲さんが教えてくれたから、なんとか自転車で行ってきます”
続くメッセージを読み終えると、苛立つ気持ちを抑えながら小さく息を吐いた。
つまり、あの夜みんなでLEINの交換をしていたのは本当のことで。
少なくとも、病院の場所を教えたという玲ちゃんと大地にはリュウ君の熱の件は伝わっていて…
『自転車で行くには、二、三十分はかかるよ』
『えっ?』
かかる時間だけじゃない。
わりと大きな橋も、渡らないといけない。
『この時間だと救急外来でしょ。だとしたら、一番近くても創生病院だから』
『うん、そうだよな』
ちっぽけな、プライドだった。
『……39度も熱がある子、自転車は可哀想だし。リュウ君ママも、引っ越してきたばかりで、道…わからないだろうから』
『…うん』
負けたくない。
心の狭い、小さい女だと思われたくない。
『とりあえずリュウ君、病院に連れていってきてあげて』
そんなくだらない意地が、気付けば私にそう言わせていた。



