マリッジリング〜絶対に、渡さない〜

 
『いつ?』

『えっ?』

『一体いつLEINの交換したの?』


バクバク鳴る心臓の音が、身体中に響く。
知りたくないけど、私にはちゃんと知る権利がある。


『いつって、うちに来た時じゃん』

ケロッとした顔でそう言った大地に、思わず首を傾げた。
うちに来た時って…初めて会った日の、あの夜のこと?


『景ちゃんと玲ちゃんとも交換してたし、俺らも聞かれたからみんなで交換したっていうか。あの時にてっきり亜紀も繋がってると思ってたんだけど』


景子と玲ちゃんも?
何それ…知らない。
いつ?どのタイミングで?

思い出そうとしても、思い出せない。
あの日は確か、椅子の数も足りなかったし、ソファーに座ったり立ったまま飲み食いしながらキッチンとリビングを行ったり来たりしていた。

だとしたら、LEINの交換をしたのは、私が席を外していた時?

仮にもし、そうだとしても。


『景子と玲ちゃんがリュウ君ママと連絡先を交換するのは同じママとしては…わかるけど…』

近所付き合いもあるだろうし、同じ年頃の子供を持つママなわけだし。

『大地とかパパ達がLEINを交換する必要って…あった?』

『えっ…』


焦ったような気まずい表情が、苛立ちをさらに加速させる。


『普通、考えたらわからない?まだ知り合ったばかりのーーー』


そう話していたその時。
ピロン、とLEINのメッセージ着信音が廊下に響いた。