「お姉ちゃん。LARGOのメンバーさんをおもちゃにするのはいい加減やめてあげたら?それに彼女さんを加えるのはもっとダメでしょ」

姉に冷たい視線を送ると、「だあってー」とツンっと唇を尖らせた姉がこちらを見た。

「あのタカトが見事に反応するのよ?」

「だからって、むやみやたらに”タカトさんの姫”を巻き込んじゃダメでしょ」

私が呆れた顔をすると「ま、それもそうね。からかう相手なら他にもいるし」と意味深な顔をして山崎社長にウインクしている。

からかう相手が社長なの?と思ったけれど、どうやらそうではないらしい。

「うーん、私としてもけしかけたいとは思っているけど」
山崎社長までが眉間にしわを寄せるようにして微妙な笑みを浮かべている・・・ってことはからかう相手は社長ではないらしい。

「もう少ししたら動いてみるわ」
「その件については真紀に任せるけど、くれぐれもやりすぎないでね」
「わかってますって」

二人は私と姫のわからない会話をすると、
「さあさあ今夜は食べましょうか」
姉と山崎社長はメニューを広げて次々と注文を始めた。