「ひゃぁ…!?りゅ、隆ちゃん!?」

「ごちそうさま」


そう言って弥生に微笑むと、弥生はあっという間に顔を赤くした。


「なんで、…み、みんないるのに!…信じられない!」

「みんないるからだって」


俺の言葉の意味がまったく分からないらしく、弥生は「もう!」とか言いながら、自分のお弁当をまた食べ始めた。

一方俺は、安藤の方に視線を向け、いかにも悔しそうにこちらを見る奴に向かって、『手、出すなよ』と、口パクで伝えてみる。
すると、安藤は諦めたように、俺から目線をそらした。


「害虫駆除、完了」

「……やっぱ隆ちゃん、今日黒いよ」

「まあな」






だから、俺は弥生のためなら、黒くなれるんだって。


誰にも渡したくないから。














……End★