ドッペルゲンガー

オカルト同好会の活動は、心霊番組を見るとか廃墟に行くとかそんなことはしない。

自分の好きなことに没頭して、現実を忘れる部活だ。

なので、みんな家からポスターなどを持ってきて飾っている。

それでは、話を戻そう。部室に冬樹の姿はなかった。

ホラー小説が冬樹は好きだ。だから、図書室で本を借りているのかもしれない。よくあんな分厚い本を読めるもんだ。

部室に来ると、陸と圭太はもう好きなことを始めていた。圭太はスマホでボカロの曲を聴き、陸は自分の好きなアイドルグループの写真集を眺めている。

俺もアニメのフィギュアをきれいにしようかと思ったその時、冬樹が入ってきた。

「あれ?お前らいつから来たん?」

冬樹は中学生の頃まで大阪に住んでいた。なので、関西弁でいつも喋っている。

「冬樹!実は、不思議なことがあったんだ!」

圭太がそう言うと、冬樹の目が輝く。

「何なに?聞かして!」

圭太と陸が俺を見ながら、夏休みの最終日にあったことを話す。もちろん俺も、その時どこにいたのか話した。