その時間帯もまだ高速道路を車で走っていた。それに、俺は小説は読まない。とても短いショートショートでも読みたくない。漫画を読書だと思っているくらいだ。

そのことを言うと、二人は不思議そうな顔をしてお互いの顔を見合わせる。

しばらくして、陸が口を開いた。

「じゃあさ、冬樹(ふゆき)にこのことを言ってみようよ。冬樹なら何か知ってるかもしれない」

川田(かわた)冬樹は俺たち三人の所属しているオカルト同好会の部長だ。

「いや、別にオカルトって決まったわけじゃないだろ」

そう言う俺を捕まえて、二人は部室へと向かう。アニメが遠ざかっていくことに、俺は絶望を感じた。



オカルト同好会に所属していると言ったが、俺は別に幽霊やら魔術の類は信じていない。むしろ作り物だと思っている。

夏休みなどによく心霊番組があって、家族はそれを怖がりながらも見ているが、俺はくだらないと思っている。

では、なぜオカルト同好会に所属しているのか。それは俺のーーー俺たち三人の趣味にあった。