「小野様ー。」 そう呼ばれて俺は現実に戻った。 「では…1ヶ月後に。」 先生は俺をわざわざ見送りしてくれた。 「うん。じゃあ、先生。」 俺は振り返らず、秋の匂いがする風に押され、 自転車を漕ぎ始めた。 ****** 「ただいま。」 「おかえりっ。ね、ねぇっ!」 帰るなり、早苗が玄関にいた。 俺は、なんだか早苗を抱きしめたくなって。