*颯side*
早苗と再会したとき、本当に嬉しかった。
また一緒に居られるって思ったら
すごく嬉しかったし、会うのが楽しみだった。
だけど、いま本当に会いたくない。
だって、早苗は大人になった。
俺を置いて。
俺はずっと早苗が好きなのに、
アイツは、好きな人が居るらしい。
なんなんだ。
赤くなったりするのは、俺だけじゃなかったんだ。
そう思ったら顔も見れなくなってしまった。
ドアがノックされる。
「颯、ご飯出来たけど…。
食べない?」
その声は俺だけのものだったのに。
「あとで食べるから置いといて。」
「わかった。」
…いや、そう思ってたのは俺だけだ。
勝手に勘違いしただけなんだ。


