*** 「じゃ、また迎え来るから。」 「うん、ありがとう。」 颯が自転車で踵を返すのをみつめていたとき 彼がわたしの方をもう一度振り返った。 「なに?しおらしくなって。」 「…なんでもないですー!」 本当はあるけど。 とか、心の中で思ったことは内緒。 「あそ、じゃーな。」 って笑いながら颯は自転車を漕いで行く。 …なんか、わたし今日おかしい。 「ちょっとー!早苗!」 「…ん?れーちゃん、おはよー。」