きっと、あたしはどこかで思ってた。
『流璃、』
どうせ壱星の事だから何事もなかったように
あたしに会いに来るって。
『本気にしてんの?』
いつものように笑って
面倒くさそうに健康サンダルを引きずって
『んな訳ねぇーじゃん。』
あたしに会いに来る、そう思ってた。
喧嘩したって
あたしたちの間に
“ごめん”なんて言葉存在しなくて。
むしろ、あたしたちには不必要な言葉だったから。
“ごめん”
そう言えたら
あたしたちの関係は
何か変わるのだろうか。
幼なじみ以上の関係に、変わってしまうのだろうか。
壱星は、それを求めてるの?
…よく、わかんないよ。
壱星が、わかんない。

