流星サイダー




それから一週間。


壱星はあたしに言った通り、教室には来なくなった。

教室どころか、朝も下校の時も迎えに来てなんかくれなくて。



「最近、壱星くん遊びに来ないわね。」

喧嘩でもしたの?
ママに言われて、あたしは素っ気なく答えた。

「…別に。」




そう、別に。
こんなの、大した事じゃない。

あたしはこうゆう結果を望んでたんだもん。



これで結果オーライじゃんか。



やっと
自由に恋愛出来る。

やっと
恋が出来るんだ。






――なのに、何で?



「邪魔なんだけど…。」


あたしの部屋にある壱星の服。

二人で遊んだゲームソフト。

壱星が好きで、あたしも好きになったCD。

漫画や、DVD。

壱星がゲームセンターで取ってくれた、ぬいぐるみ。



見渡せば
この部屋は、壱星の面影が辺り一面に散乱してて。


それが、どうしようもなく何故かあたしを切なくさせる。