「おい、流璃。」
「……………。」
「何だよ、シカトすんなって。」
「……………。」
昼休み。
不機嫌を露にしたあたしに、壱星は悪びれた様子もなくズカズカと教室に入ってきた。
だけどあたしは壱星にそっぽ向いたまま
口を固く閉ざす。
てか、昨日あんな事しておいて、よく普通に話かけてくるよね。
…マジ意味わかんない。
「流璃、聞いてんのか?」
「……………。」
あー、イライラする。
「流璃!」
「触んなっ!!」
肩に触れた壱星の手を、思い切り振り払った。
怒りからか、それとも恥ずかしさからか
わからなかったけど
顔が赤くなってるんだと何となく感じて。
「ってーな、何すん、」
「もう来ないで!」
遮ったあたしの言葉に、壱星が
「は?何が?」
と問い掛けてくる。
「あたしの教室、もう来ないで!」
苛立ちの理由も
モヤモヤするこの感情も
全部コイツのせい。
だからこそ
つい、言ってしまったんだ。

