流星サイダー



「どうしたの、そのクマ。」

昨日より酷くない?
そう言ってみーちゃんは「おはよう。」も言わずに
カバンを置いた。



「ええ、寝てませんから。」

「へっ!?何、何かあったの!?」

人の気も知らないで、みーちゃんはとびっきりの笑顔をあたしに向ける。



「え、もしかして壱星くん!?」

「うるさぁーいっ!!!その名前は出すなっ!」

真っ青な晴天の空。
冬の澄んだ空気。

だけどモヤモヤとした感情が
あたしの心に住みついて、結局昨日も眠れなかった。


それどころか、時間が経つにつれ
あの出来事がよりリアルに刻まれて。


「何よ、変な流璃~。」

おどけたように笑うみーちゃんをキッと睨み
あたしはそのまま机に伏せた。


言える訳ないじゃん!
壱星とキスしちゃっただなんてっ!!

いや、正確には奪われたんだけど!

でもでも、キスしちゃった事には変わりない訳で。



うがーーーっ!!!

もうやだやだっ!!!


何であたしがこんなに悩まなくちゃいけないの!?



んもーっ!!!
壱星のアホーーーっ!!!