あたしなんて
髪の毛も茶色にして
ピアスも空けて、お洒落だって超ーっ気を遣ってるのに
誰一人として
『好き』だなんて言ってくれない。
なのに壱星は
あんなぼさぼさ頭でお洒落の『お』の字も気にしないのに
何だってモテる訳!?
どう考えても納得いかないんですけど!!
「そんなに壱星くんの事わかってるなら、付き合っちゃえばいいのに。」
「ぶぇ、やめてよ!鳥肌止まんないじゃん!」
両手で抱き締めるように腕を擦り、寒気のする体を温めてみる。
だけど思い出すのは
あのバカの言葉。
『そんなに彼氏欲しいなら、俺がなってやるよ。』
ぎゃーーーっ!!!
やだやだやだやだ!
いくら壱星でも
それだけは嫌だっ!!
あたしは恋をするの!
誰もが羨むよーな
そんな恋人が欲しいの!
『流璃』
そう耳元で囁いてくれるような、甘い声の恋人がいいのーっ!
それは絶対
ガラガラ声の壱星じゃ叶えられないんだから!!

