ペタン、ペタンと音を鳴らして廊下に消えてゆく壱星の足元は
学校でもどこでも健康サンダル。
…ありえない。
「やーっぱ、壱星くんってかっこいーっ!」
「は!?どこが!?みーちゃん目腐ってるよ。」
壱星の去った教室で、みーちゃんは手を組み合わせ、きゃっきゃと声をあげた。
「えー、だって壱星くん背高いし、ロン毛でもかっこいいし、声も渋いしーっ!」
「背が高いのは遺伝子、ロン毛なのは切るのが面倒いだけで、声は昔泣きすぎて枯れたんだよ。」
みーちゃんの壱星かっこいい説をことごとくぶった切ってく。
だって学校でも健康サンダルって、そこんとこどーなの?
壱星は昔から靴下が嫌いで、履くとしたら体育の授業くらい。
その他の時間は必ず素足で、上履きを履かないのは気持ち悪いから。
あたしの中の壱星は
どんなに寒くても健康サンダル、そして飲み物は必ずサイダー。
「意味不明でしょ。」
大体、靴下嫌いって
お前は石〇純一かっ!

