やけに冷静を保とうとしてる自分。
だけど心は跳ねるように動き回ってて。
「つーかお前、朝先に行くなよ。」
「別にいいじゃん。昨日言ったもん。」
「流璃が早起きなんて明日は絶対雪だな。」
早起きしたんじゃなくって、ただ寝れなかったんだよっ!
言葉にしそうになって、だけどギリギリ飲み込んだ。
てか、あたし何意識しちゃってんの!?
相手は壱星だよ!?
…あはは、笑えなーい。
「もー、いいから!早く自分のクラス戻りなよ!」
「何そんなにイライラしてんの。」
生理か?
そう尋ねる壱星に、デリカシーのなさを感じる。
…ない、ないわ。
あたしと壱星が付き合うなんて、天と地がひっくり返ってもない。
幼なじみって関係じゃなくっても
ぜーったい、ないっ!!
あたしはもっと、こう
笑顔がキラキラしてて、包容力があって、ついでにかっこよくて…。
強いて言うなら、ジャニーズの……、
「ま、とりあえず返しに来ただけだから。じゃーな。」
妄想に入り込んでたあたしに、壱星はひらりと手を振って教室を出る。

