君日記~地味女子×イケメン男子Diary~

そう言って彼は手をヒラヒラさせて階段に向かっていった。


その瞬間私の手にかかっていたものが軽くなった。


「はいっ」


蒼弥の手には私と同じ資料。


「行こ」


蒼弥のあとを追う。


「あっ、えっ、あ…大丈夫ですよ!!」


友達と帰る約束してたみたいだし…。


「んー?」


前を向いたまま答える蒼弥。

私は蒼弥の1歩前まで走った。


「あのっ、友達と帰る予定だったみたいだし、今でもダッシュすれば多分追いつけま……」


グキッ―――。


右足くじいた……。


急に走ったからだ…。はぁ。


でも転ばない。


気づけば私は蒼弥に支えられていた。


「……あっぶねぇ」


この状況を理解した私は急いで蒼弥の腕の中から抜け出す。