新庄さんからもらった服を通勤服のレパートリーに加えたといっても、服がきれいになっただけで中身は私なのだ。むしろ私が着るせいでせっかくの素敵なデザインがやぼったく見えてしまって、服の方に申し訳ないくらいだった。
私のとなりに座っている金髪女子の板倉さんは、おしゃれなうえに小柄だ。並んでいると自分の大きさがいっそう際立つ気がした。
急にいたたまれなくなって、肩を縮める。その瞬間、バシンと背中を叩かれた。
「背中、丸めるな」
振り返ると、すぐそばに社長が立っていた。叩かれた背中の痛みが、ふいにときめきをともなう痺れに変わる。
「おいコラ、同期ふたり組。騒ぐな。店に迷惑がかかるだろうが」
「あ……社長」
「……すんません」

